「親子四人展」を終えて

「親子四人展」が終了しました。6日間という短い会期でしたが、本当にたくさんの方にご来場いただき感謝しております。どうもありがとうございました。

若い頃だったら、「家族展」なんて照れくさくてとてもできません。
「よくやるなぁ・・」「親孝行だねぇ」などと友人たちに苦笑?称賛?されました。でも、四十半ばの今は、こういうことも良いものだと素直に思えるようになりました。

父の書は私にとって子供の頃から身近なものですし、亡くなった義母の彫刻は、あたりまえのように家にあふれているので、普段の暮らしの中でじっくり眺める機会はあまりありません。夫、小島の仕事もそうです。
今回「家族展」としてあらためて展示をし、それぞれの作品と向き合ってみると、表面に現れた形の奥から、次第に作品の内に積もった時間が蘇ってくるようで、様々な想いがよぎりました。
それは、命の繋がり、家族の小さな物語のようなことです。

平生、私は絵を描くとき、感傷的な事柄から距離を置いています。表現は感情から自立したものだと考えるからです。しかし、今度の展示を終えて、作品のいちばん奥にはいつも心の宿る場所を携えている、そんな仕事をしたいものだとあらためて思いました。それが普遍的なものへと繋がるなら、作品はきっと自立したものとなることでしょう。

これからまた、新たな気持ちで仕事に励みます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


「親子四人展」を終えて
石塚 雅子

                   
2009年 11月